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不動産コンサルタント 大野レポート No.07
タカラ塾
2002年1月14日
衰退と始まりの年に
 新年明けましておめでとうございます。皆様のおかげで、本塾も開設後、満1年を迎えることが出来ました。感謝を申しあげると共に、本年もよろしくお願い申し上げます。

 2002年の干支は壬の午(みずのえ・うま)。後者の「午」が万物に初めて衰退の傾向が起こり始めたことを示す一方、前者の「壬」は「妊む」の意で、草木の種子の内部に新しいものが妊まれることを指すといいます。

 日本経済は、デフレ進行の中で産業空洞化と金融空洞化が同時に進行するという先進資本主義国家では前例のない状況を呈しています。今年は前半の3ヶ月か6ヶ月が正念場で衰退がはっきり現れて、年後半からは変革(うまく行けば?)から新しい潮流が生まれるということなのかなと考えています。

 どちらにしても、頼れるものは自分自身なので、しっかりと情報を収集し、棄却と選別をしながら着実に手を打っていく年になると思います。

 年明け早々、卸小売業の老舗の方からご相談があり、この2~3年前からメーカーが中国に生産の拠点を移した為、急速に売上が落ち、赤字から借入金が膨らみ昨年末に資金繰りに逼迫し知人の紹介を受け私のところへご相談に見えられました。(こういったパターンが増えています。)

 こうなると、小手先の処方箋では駄目で(相談した弁護士はすぐに破産を薦めたがそうだが?)、大まかな全体像と前向きな清算と再生の為の流れと方向性をご説明しました。相談相手の奥様はすこし涙ぐみながら(おそらくこの数年は必死の思いで頑張ってきて、刀折れ矢も尽き果てた…のでしょう。)私の話にうなづいておられました。これから半年~1年、私と共に人生の修羅場をくぐる(出来るだけ明るく前向きに)ことになるが…このときに一番大事なのは、気持ちの切り替えが出来るかどうか…にかかっています。相談者は、少しは肩の荷が軽くなったという感じで帰られました。

 2002年新年を迎えましたが、今年も(いや今年こそ)こういった事案が増えるであろうということを、肝に命じながら自分自身も含めて早め早めに、しかしながら情報等に振り回されされることなく着実に行動し手を打っていく年にしたいと考えています。

タカラ塾塾長    大野 哲弘

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